特定技能1号ビザ 完全ガイド【2026年最新】
最終確認日: 2026-05-03 執筆: さわい行政書士事務所 澤井隆行(Gyoseishoshi) 記事タイプ: L1ピラー(在留資格 S級) 読了時間: 約13分
結論: 「特定技能1号」は、人手不足が深刻な16の特定産業分野で、相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。技能試験+日本語試験(または技能実習2号良好修了)の合格、雇用契約・支援計画の策定が要件で、在留期間は通算5年が上限、家族帯同は原則不可です(入管法別表第一の二)。
特定技能1号ビザとは?
「特定技能」は2019年4月施行の入管法改正で新設された、深刻な人手不足分野に外国人材を受け入れるための在留資格です。1号と2号の2区分があり、本記事は1号を解説します。
特定技能1号の基本要件
- 対象: 特定産業分野(16分野)における相当程度の知識・経験を要する技能を要する業務
- 試験要件: 技能試験+日本語試験(N4以上または同等)の合格/または技能実習2号を良好に修了
- 雇用形態: 直接雇用が原則(一部分野で派遣可)
- 在留期間: 1年・6か月・4か月の更新/通算上限5年
- 家族帯同: 原則不可
- 支援計画: 受入機関は1号特定技能外国人支援計画の策定・実施が必須
16の特定産業分野(2024年3月閣議決定で4分野追加)
- 介護
- ビルクリーニング
- 工業製品製造業(旧:素形材・産業機械・電気電子情報関連)
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 自動車運送業(2024年3月追加)
- 鉄道(2024年3月追加)
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 林業(2024年3月追加)
- 木材産業(2024年3月追加)
法的根拠: 入管法別表第一の二「特定技能」第1号/同法第2条の5(特定技能雇用契約等)/特定技能基本方針
一次ソース: 出入国在留管理庁「特定技能制度」
必要書類は何ですか?
特定技能1号は、申請人本人と受入機関(特定技能所属機関)の双方から多数の書類が必要です。
申請人の書類
- 在留資格認定証明書交付申請書/変更許可申請書/更新許可申請書
- 写真1葉(4cm×3cm)
- 旅券(パスポート)写し
- 特定技能外国人の報酬に関する説明書
- 雇用契約に係る重要事項事前説明書
- 雇用契約書および雇用条件書の写し
- 健康診断個人票
- 受診者の申告書
- 1号特定技能外国人支援計画書
- 技能水準を証明する資料(試験合格証明書または技能実習2号修了証明書)
- 日本語能力を証明する資料(JLPT N4以上または国際交流基金日本語基礎テスト合格証明書)
受入機関の書類
- 特定技能所属機関概要書
- 登記事項証明書
- 業務執行に関与する役員の住民票の写し
- 特定技能所属機関の役員に関する誓約書
- 労働保険料等納付証明書
- 社会保険料納入状況回答票または健康保険・厚生年金保険料の納入状況証明書
- 税務署発行の納税証明書(その3)
- 都道府県・市町村税の納税証明書
- 分野別運用要領で求められる証明資料(協議会加入証明書等)
登録支援機関に委託する場合の追加書類
- 支援委託契約書の写し
- 登録支援機関概要書
💡 行政書士のポイント: 特定技能の必要書類は分野別運用要領により16分野で異なります。介護分野の介護福祉士国家試験、建設分野のJAC(建設技能人材機構)加入証明書など、分野固有書類の漏れが不許可の最頻原因です。
法的根拠: 入管法第7条第1項第2号/特定技能省令/分野別運用要領
一次ソース: 出入国在留管理庁「特定技能総合支援サイト」
試験要件は?
特定技能1号には技能試験+日本語試験の2系統が必要です。
技能試験
各分野の所管省庁が実施する特定技能評価試験または分野独自の技能試験に合格すること。
主な試験例:
- 介護:介護技能評価試験+介護日本語評価試験(厚労省所管)
- 建設:建設分野特定技能1号評価試験(国交省所管)
- 外食業:外食業特定技能1号技能測定試験(農水省所管)
- 飲食料品製造業:飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験(農水省所管)
日本語試験
以下のいずれかの合格が必要:
- 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2以上
- 日本語能力試験(JLPT)N4以上
- 介護分野は加えて介護日本語評価試験
技能実習2号良好修了ルート
技能実習2号を良好に修了した者は、修了した職種・作業に対応する分野で試験免除となります(特定技能基本方針別表)。「良好修了」とは技能実習2号を2年10か月以上修了し、実習先の評価が良好なことを指します。
一次ソース: 出入国在留管理庁「技能試験について」
審査期間と費用の目安は?
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 申請手数料(変更・更新) | 6,000円(収入印紙・許可時) |
| 申請手数料(認定証明書交付) | 不要 |
| 行政書士報酬相場(申請のみ) | 10万円〜25万円 |
| 登録支援機関の支援委託料 | 月額2万円〜5万円/人 |
| 審査期間 | 1〜3か月 |
行政書士報酬・支援委託料は事務所により異なります。
特定技能ビザは複合要件審査のため、技人国より審査が長期化する傾向があります。
一次ソース: 出入国在留管理庁「在留審査処理期間」
不許可になりやすいケースは?
主な不許可理由
-
支援計画の不備
- 事例: 必須10項目(事前ガイダンス・空港送迎・住居確保・生活オリエンテーション等)の一部欠落
- 対策: 出入国在留管理庁公表の支援計画書フォーマットを完全充足/支援責任者の常勤確認
-
受入機関の納税・社保未納
- 事例: 法人税・厚生年金保険料の滞納
- 対策: 申請前に納税証明書(その3)・社会保険料納入状況証明で完納立証
-
報酬基準未達
- 事例: 同職務の日本人より低い給与(特定技能省令違反)
- 対策: 同職種・同経験年数の日本人の給与表を添付し同等性立証/賃金規程提出
-
分野・業務不適合
- 事例: 「飲食料品製造業」分野で配送・小売業務に主従事
- 対策: 業務内容を分野別運用要領の業務範囲に厳密に限定
-
技能・日本語試験合格証明の真正性疑義
- 事例: 海外受験の試験合格証明書の偽造
- 対策: 試験実施機関発行の正本を添付/合格者番号で本庁照会可能な形式
💡 行政書士のポイント: 特定技能は受入機関側の不備が不許可の70%を占めます。受入機関が初回申請時は登録支援機関に委託することで、書類不備リスクを大幅に削減できます。
他の在留資格との違いは?
| 比較対象 | 主な違い |
|---|---|
| 特定技能2号 | 熟練技能/在留期限なし/家族帯同可/対象11分野 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 学歴・実務経験要件/専門事務職・技術職/在留期限なし/家族帯同可 |
| 技能実習 | 開発途上国への技能移転目的/2027年制度廃止予定(育成就労へ移行) |
| 育成就労(2027年予定) | 技能実習の後継/3年で特定技能1号へ移行可/家族帯同不可 |
| 介護 | 介護福祉士資格保有者/在留期限なし/家族帯同可(特定技能介護より上位) |
移行パターン:
- 技能実習2号良好修了 → 特定技能1号(試験免除)
- 特定技能1号 → 特定技能2号(熟練技能試験合格・分野により)
- 特定技能1号 → 技人国(学歴・実務経験充足時)
- 育成就労(2027〜) → 特定技能1号 → 特定技能2号
2026年の改正点は?
主要改正点
-
4分野追加(2024年3月29日閣議決定)
- 自動車運送業・鉄道・林業・木材産業を新規追加(既存12→16分野)
- 自動車運送業はバス・タクシー運転者を含む(第二種運転免許等の追加要件)
-
受入見込数の増加(2024-2028)
- 5年間累計82万人(前期5年34.5万人比2.4倍)
- 介護13万人・建設8万人・外食業5.3万人など分野別目標明示
-
育成就労制度の創設(2027年予定)
- 技能実習を廃止し育成就労へ移行
- 育成就労 → 特定技能1号 → 特定技能2号の体系的キャリアパス
- 対象分野は特定技能と一致
-
永住許可制度の厳格化(2024年6月施行済)
- 故意の納税・社会保険料不納付者の永住取消対象化
- 特定技能から永住申請する場合も同様に審査される
一次ソース: 出入国在留管理庁「特定技能制度の運用に関する方針」
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よくある質問(FAQ)
Q1: 特定技能1号の在留期間は本当に5年が上限ですか?
A: 通算で5年が上限です(入管法別表第一の二「特定技能1号」)。1年・6か月・4か月の在留期間を更新しながら、累計が5年に達すると更新できなくなります。延長するには特定技能2号に移行する必要があり、対象11分野で熟練技能試験に合格することが要件です。
Q2: 家族を呼び寄せることはできますか?
A: 特定技能1号は家族帯同不可が原則です。配偶者・子は「家族滞在」「特定活動」のいずれでも来日できません。ただし、技能実習中に出生した子が「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」を持っている等の特殊事例は個別判断となります。家族帯同を希望する場合は特定技能2号への移行が必要です。
Q3: 転職はできますか?
A: 同一分野内であれば転職可能です。ただし変更申請(在留資格変更許可申請)が必要で、許可前の転職開始は資格外活動となります。受入機関の倒産・解雇等の場合は「特定活動(求職)」への変更で6か月の求職期間が認められます(特定活動告示51号)。
Q4: 特定技能1号でも永住権は取れますか?
A: 取得可能ですが、通算在留期間5年では原則10年要件を満たしません。特定技能2号に移行し合計10年以上在留した場合、特定技能2号は永住申請可能在留資格に該当します(高度専門職等の特例なし)。納税・社会保険料完納が前提条件で、2024年改正で完納義務が一層厳格化されました。
Q5: 登録支援機関は必ず必要ですか?
A: 必須ではありません。受入機関自身が支援能力を有する場合(過去2年内に中長期在留外国人受入実績があり、生活相談員を確保等の要件充足時)、自社支援が可能です。ただし、支援10項目の完全実施は専門知識を要するため、初回受入機関は登録支援機関への委託を強く推奨します。
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免責事項
本記事は2026年5月時点の入管法・施行規則・告示・運用要領に基づく一般的な情報提供であり、個別案件の法的助言ではありません。具体的な申請手続きについては、出入国在留管理庁の最新情報をご確認のうえ、行政書士等の専門家にご相談ください。本記事の情報を利用した結果生じたいかなる損害についても、当事務所は責任を負いません。
法令の解釈・運用は日々変動します。最終確認日以降に法令改正があった場合、最新情報を反映するまでの間、本記事の内容と実際の運用が異なる可能性があります。
著者情報
さわい行政書士事務所 澤井 隆行(Sawai Takayuki, Gyoseishoshi)
- 事務所: さわい行政書士事務所
- 所長: 澤井 隆行
- 登録: 日本行政書士会連合会会員(東京都行政書士会)
- 専門: 入管業務(在留資格・帰化)/法令遵守SaaS開発
- ブランド: MmowW(Dron🦉/F👀D/Shamp👀/Scrib🐮/Viz👀)
- お問い合わせ: info@mmoww.net / mmoww.net/contact/
Gyoseishoshi(行政書士)は日本独自の法律専門職で、官公署提出書類の作成・代理を行う国家資格者です。本記事の内容は行政書士として日々の実務で扱う知見に基づいています。
強く・優しく・美しく飛ぶ🕊️ MmowW Viz👀 — ビザ法令を見える化🐮🦉