経営・管理ビザ 完全ガイド【2026年最新】
最終確認日: 2026-05-03 執筆: さわい行政書士事務所 澤井隆行(Gyoseishoshi) 記事タイプ: L1ピラー(在留資格 S級) 読了時間: 約13分
結論: 「経営・管理」ビザは、日本国内で事業の経営または管理に従事する外国人向けの在留資格です(入管法別表第一の二)。500万円以上の事業規模(資本金または投資額)または常勤職員2名以上が要件で、独立した事業所の確保、事業計画の合理性、適正な経営管理が審査されます。在留期間は5年・3年・1年・6か月・4か月・3か月の更新です。
経営・管理ビザとは?
「経営・管理」は、外国人が日本で会社経営・事業管理に従事するための在留資格です。2015年に「投資・経営」から名称変更され、外国資本要件が撤廃されました。
対象となる活動
- 経営活動: 株式会社・合同会社等の代表取締役・取締役・執行役員等
- 管理活動: 部長職以上の管理職(実際の経営判断に関与)
- 事業継承: 既存事業の買収・継承による経営
在留期間と就労範囲
- 在留期間: 5年・3年・1年・6か月・4か月・3か月
- 就労: 経営・管理活動のみ(他職種は資格外活動許可要)
- 家族帯同: 配偶者・子の家族滞在ビザ可
- 永住への移行: 10年継続在留+経営安定で可能
「投資・経営」からの変更点(2015年)
- 外国資本要件の撤廃(日本人投資の事業も対象に)
- 「管理」活動の追加(経営者だけでなく管理職も対象)
法的根拠: 入管法別表第一の二「経営・管理」/基準省令第7号
一次ソース: 出入国在留管理庁「経営・管理ビザ」
必要書類は何ですか?
経営・管理ビザは、会社設立段階・申請段階・運営段階で異なる書類が必要です。
会社の書類
- 定款の写し(公証人認証済)
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 株主名簿(出資割合明示)
- 法人税納税証明書(その3)(既存事業の場合)
- 事業計画書(最重要:3-5年の事業計画)
- 損益計算書・貸借対照表(既存事業の場合・直近2期)
- 法人事業開始届出書の写し(税務署提出)
事業所の書類
- 事業所の賃貸借契約書の写し
- 事業所の写真(外観・内部)
- 事業所の図面(任意)
- 公共料金支払い明細(事業所実体立証)
申請人の書類
- 在留資格認定証明書交付申請書/変更許可申請書/更新許可申請書
- 写真1葉
- 旅券・在留カード(変更・更新時)
- 履歴書(学歴・職歴・経営経験)
- 申請人の役員報酬証明(取締役会議事録または雇用契約書)
資金関係書類
- 資本金または投資額の証明(払込証明書・送金証明書)
- 取引先との契約書(任意・推奨)
- 資金調達の根拠資料(自己資金・融資契約書等)
常勤職員の書類(500万円要件を職員2名で代替する場合)
- 雇用契約書
- 雇用保険被保険者資格取得確認通知書
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 直近の源泉徴収票(既存職員の場合)
💡 行政書士のポイント: 経営・管理ビザの審査は事業計画書が決定要因です。売上見込み・収益構造・市場分析・3年後・5年後のビジョンを具体的かつ実現可能性ある内容で記述することが必須です。Excelスプレッドシートで月次収支計画を添付すると評価が大きく上がります。
一次ソース: 出入国在留管理庁「経営・管理ビザ申請書類」
500万円要件と職員2名要件は?
経営・管理ビザの中核要件は基準省令第7号に定められています。
事業規模要件(いずれか1つを満たすこと)
A. 投資金額500万円以上
- 資本金または出資金として500万円以上を払い込み
- 証明: 払込証明書・銀行送金記録・通帳の写し
- 借入金は原則として算入不可(自己資金が原則)
B. 常勤職員2名以上の雇用
- 日本人または永住者・特別永住者・日本人の配偶者等など身分系在留資格者
- フルタイム雇用(週30時間以上の勤労時間)
- 雇用保険・厚生年金加入
独立事業所要件
- 申請人が経営する事業のための独立した事業所を確保
- 自宅兼事業所は原則不可(オフィスとしての機能確保が必要)
- レンタルオフィス・シェアオフィスは個別判断(独立性証明要)
適正性要件
- 事業計画の合理性(売上見込み・市場性・実現可能性)
- 適法事業(風俗営業・違法産業は対象外)
- 申請人の経営能力・経験
法的根拠: 入管法第7条第1項第2号/基準省令第7号「経営・管理」第1号〜第3号
一次ソース: 出入国在留管理庁「上陸基準省令」
審査期間と費用の目安は?
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 申請手数料(変更・更新) | 6,000円(収入印紙・許可時) |
| 申請手数料(認定証明書交付) | 不要 |
| 行政書士報酬相場 | 15万円〜40万円 |
| 会社設立費用(定款認証+登記) | 約25万円(株式会社)/約10万円(合同会社) |
| 審査期間 | 1〜3か月(新規)/2週間〜2か月(更新) |
行政書士報酬は事務所により異なります。
経営・管理ビザは事業実態の審査が伴うため、新規申請では特に審査期間が長期化する傾向があります。
一次ソース: 出入国在留管理庁「在留審査処理期間」
不許可になりやすいケースは?
主な不許可理由
-
事業計画の現実性欠如
- 事例: 「IT事業」と称するも具体製品・サービス・顧客が不明確
- 対策: 業界経験を活かした具体事業計画/取引先候補との合意書を添付
-
事業所の実態欠如
- 事例: 自宅住所のみ・バーチャルオフィスのみ・シェアオフィスで独立性なし
- 対策: 独立した区画オフィスの確保/表札・看板・公共料金で実態立証
-
資本金の出所不明
- 事例: 親族からの突然の高額送金・借入金の混入
- 対策: 自己資金の蓄積過程を通帳履歴で立証/親族贈与は贈与契約書添付
-
更新時の事業低迷
- 事例: 売上ゼロ・赤字3期連続・取引実態不明
- 対策: 改善計画書・市場戦略書・資金調達計画で再生可能性立証
-
申請人の経営経験不足
- 事例: 経営経験ゼロでの飲食店開業計画
- 対策: 業界経験者を共同経営者として迎える/経営アドバイザー契約書添付
💡 行政書士のポイント: 経営・管理ビザは初回許可より更新時の不許可リスクが高い点が特徴です。1年目の在留期間中に売上・取引・税務をきちんと整備し、更新時に「事業継続性が証明できる状態」を作ることが極めて重要です。
他の在留資格との違いは?
| 比較対象 | 主な違い |
|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | 学歴・実務経験要件/専門事務職・技術職/投資要件なし |
| 高度専門職1号(c) | 経営活動+ポイント70点以上/永住要件1年特例可 |
| 投資 | 廃止済(経営・管理に統合) |
| 法律・会計業務 | 弁護士・公認会計士等の有資格業務 |
| 教授 | 大学等での研究・指導活動 |
移行パターン:
- 技人国 → 経営・管理(独立起業時)
- 経営・管理 → 高度専門職1号(c)(ポイント加点で要件充足時)
- 経営・管理 → 永住権(10年継続+事業安定)
- 短期滞在 → 経営・管理(会社設立後の認定証明書交付申請)
2026年の改正点は?
主要改正点
-
永住許可制度の厳格化(2024年6月施行済)
- 経営・管理から永住申請する場合も納税・社保完納が厳格化
- 法人税・消費税・社会保険料の完納確認が必須
-
届出義務の追加(2024年改正)
- 経営する事業の所在地変更・廃業時の届出義務化(入管法第19条の16)
- 義務違反は次回更新で重大な不利益
-
デジタル化推進
- 法務局・税務署への電子申請対応拡大
- 在留資格認定証明書のオンライン発行
-
事業所要件の運用厳格化(2025年運用通達)
- バーチャルオフィスの不許可運用
- レンタルオフィスは個別判断(独立区画証明要)
一次ソース: 出入国在留管理庁「入管法改正の概要」
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よくある質問(FAQ)
Q1: 500万円の資本金は借入金でも構いませんか?
A: 原則として自己資金が必須です(基準省令運用通達)。借入金で資本金を賄うことは事業の自立性に疑義が生じ不許可リスクが高くなります。親族からの贈与は贈与契約書を添付することで認められる場合がありますが、海外送金履歴・通帳の蓄積過程で資金の出所を明確に立証することが必須です。
Q2: 自宅を事業所として申請できますか?
A: 原則として不可です(運用通達2025)。自宅兼事業所として申請する場合は、独立した執務スペースの確保(写真・図面で立証)・看板または表札の設置・公共料金が事業用に区分されていること等が要件です。バーチャルオフィスは2025年運用変更で原則不許可となっています。
Q3: 既存会社の代表取締役になれば経営・管理ビザは取れますか?
A: 取れる可能性がありますが、事業実態の審査が伴います。会社の登記事項証明書で代表取締役就任を立証するだけでなく、実質的な経営判断への関与(取締役会議事録)・適正な役員報酬・申請人の経営経験等が総合審査されます。「名義だけの代表」は不許可となります。
Q4: 経営・管理ビザで他の事業も同時に経営できますか?
A: 可能です。複数法人の代表取締役・取締役を兼任することは法令上認められています。ただし、申請時の主たる事業を明示し、副業の事業も全て事業計画書に記載・税務申告等の整合性を保つことが必要です。虚偽申告は重大な不利益となります。
Q5: 1人会社でも経営・管理ビザは取れますか?
A: 取れます。500万円以上の資本金を払い込む場合、職員雇用なしの1人会社でも申請可能です(基準省令第7号)。ただし、事業計画の現実性・事業所の独立性・経営者本人の役員報酬適正性が厳格に審査されます。役員報酬は最低月額20万円以上が実務目安です。
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免責事項
本記事は2026年5月時点の入管法・施行規則・告示・運用要領に基づく一般的な情報提供であり、個別案件の法的助言ではありません。具体的な申請手続きについては、出入国在留管理庁の最新情報をご確認のうえ、行政書士等の専門家にご相談ください。本記事の情報を利用した結果生じたいかなる損害についても、当事務所は責任を負いません。
法令の解釈・運用は日々変動します。最終確認日以降に法令改正があった場合、最新情報を反映するまでの間、本記事の内容と実際の運用が異なる可能性があります。
著者情報
さわい行政書士事務所 澤井 隆行(Sawai Takayuki, Gyoseishoshi)
- 事務所: さわい行政書士事務所
- 所長: 澤井 隆行
- 登録: 日本行政書士会連合会会員(東京都行政書士会)
- 専門: 入管業務(在留資格・帰化)/法令遵守SaaS開発
- ブランド: MmowW(Dron🦉/F👀D/Shamp👀/Scrib🐮/Viz👀)
- お問い合わせ: info@mmoww.net / mmoww.net/contact/
Gyoseishoshi(行政書士)は日本独自の法律専門職で、官公署提出書類の作成・代理を行う国家資格者です。本記事の内容は行政書士として日々の実務で扱う知見に基づいています。
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