日本のサロンが扱う製品の規制は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 — 旧薬事法) によって管理されています。本稿は、サロン経営者・スタッフが知っておくべき薬機法の基礎、化粧品と医薬部外品の区別、そして2026年5月時点の最新動向を解説します。
日本のサロンが扱う製品の規制は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 — 旧薬事法) によって管理されています。本稿は、サロン経営者・スタッフが知っておくべき薬機法の基礎、化粧品と医薬部外品の区別、そして2026年5月時点の最新動向を解説します。
📑 目次
1. 薬機法の規制対象
薬機法は以下を規制しています:
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 医薬品 | 治療効果を目的とする製品(処方薬・OTC) |
| 医薬部外品 | 効能効果が緩和、医薬品に近い分類(薬用化粧品・染毛剤・パーマ剤等) |
| 化粧品 | 人の身体を清潔・美化、容貌を変える、皮膚・毛髪を健やかに保つもの |
| 医療機器 | 診断・治療・予防に使用する機器 |
| 再生医療等製品 | — |
サロンが扱う製品の大半は 化粧品 または 医薬部外品 に該当します。
2. 化粧品と医薬部外品の違い
| 項目 | 化粧品 | 医薬部外品 |
|---|---|---|
| 効能効果 | 緩和 | より積極的な効能(除毛・染毛・パーマ等) |
| 表示 | 限定的な表現可 | 効能効果を厚労省承認範囲で表示可 |
| 市販前手続 | 製造販売届出 | 厚労省承認+製造販売届出 |
| 例 | シャンプー・コンディショナー・クレンジング・トリートメント | 染毛剤・パーマ剤・薬用シャンプー・薬用育毛剤・アクネ用化粧品 |
サロンで扱う染毛剤・パーマ剤・縮毛矯正剤・脱色剤 は医薬部外品。シャンプー・コンディショナー・トリートメント・スタイリング剤 は化粧品です。
3. 化粧品基準(告示第331号)
化粧品基準は、化粧品に 配合可能な成分・配合できない成分 を定めるネガティブリスト方式の基準です。
配合禁止成分(別表1)
化粧品に絶対に配合してはならない成分。例:
- ホルムアルデヒド
- ハイドロキノン(医薬部外品としては可)
- 鉛・水銀化合物
- 一部の発がん性物質
配合制限成分(別表2)
濃度上限・特定の表示要件のある成分。例:
- パラベン類(メチルパラベン等):1%以下
- フェノキシエタノール:1%以下
- 過酸化水素:3%以下(化粧品) / 6%以下(医薬部外品の染毛剤)
防腐剤・紫外線吸収剤・タール色素のリスト
別表で配合可能な成分・濃度を列挙(ポジティブリスト)。
4. 染毛剤の規制
染毛剤は医薬部外品として、厚労省の承認が必要:
| 分類 | 説明 | 規制 |
|---|---|---|
| 永久染毛剤(酸化染毛剤) | PPDベース・オキシ酸化 | 医薬部外品許可・パッチテスト必須 |
| 半永久染毛剤(HC染料・酸性カラー) | 一時的吸着 | 医薬部外品許可 |
| 一時染毛料(カラースプレー等) | 表面塗布 | 化粧品 |
| ヘアマニキュア(酸性カラー) | 酸性条件で吸着 | 医薬部外品 |
| ヘナ(純植物染料) | タンニン | 化粧品(工業材料の場合は別) |
PPD配合上限:2%(医薬部外品の永久染毛剤・混合後の使用濃度として)
EU の6%、米国の制限なしと比較して、日本は世界的に厳格な側にあります。
5. パーマ剤・縮毛矯正剤の規制
パーマ剤は医薬部外品で、有効成分の濃度制限:
| 成分 | 上限 |
|---|---|
| チオグリコール酸 | 11%以下 |
| システイン | 8%以下 |
| 過酸化水素(中和剤) | 6%以下 |
縮毛矯正剤は、パーマ剤と類似の構造で、チオグリコール酸・システインベース。
ホルムアルデヒドは医薬部外品に配合禁止。よって市販流通している製品で「ホルムアルデヒドを配合」と表示するものはありません。問題は「メチレングリコール」「ホルマリン」等の表示で、加熱時にホルムアルデヒドが放散する製品が国内流通している点です。
6. シャンプー・コンディショナーの規制
シャンプー・コンディショナーは化粧品。製造販売は届出制(許可ではない):
- 製造販売業者(メーカー)の許可必須
- 製品ごとに製造販売届出
- 化粧品基準に準拠
サロン専売品も、市販品も、規制レベルは同じです。
7. サロン側の責任
薬機法上、サロンは「化粧品を業として販売する者」または「化粧品を業として消費者に提供する者」としての責任があります:
- 適切に保管・管理:温度・湿度・遮光
- 使用期限の管理:期限切れ製品を使用しない
- 安全性情報の収集:副作用情報をメーカーに通知
- クライアントへの適切な使用:パッチテストの実施
- 販売・配布時の表示遵守:製品ラベルの維持
8. パッチテストの法的位置づけ
メーカーが製品パッケージに「使用前に必ず48時間前のパッチテスト」と明記している場合、それは メーカー指示 であり、薬機法に基づく安全使用の前提です。
サロンがパッチテストを省略してメーカー指示違反のサービスを提供し、副作用が発生した場合:
- メーカーの製造物責任は 適切な使用 が前提
- サロンの責任は重く、民事賠償リスク発生
- メーカーに連帯責任を求めることが困難
9. 副作用情報の取扱い
クライアントが副作用を訴えた場合:
- 適切な対応(救急対応・医療機関紹介)
- 詳細記録(時間・症状・製品・処方)
- メーカーに通知:薬機法上、メーカーは厚労省に副作用報告義務あり
- 同様の被害を防ぐため、社内共有
10. 個人輸入並行品の問題
近年、薬機法の許可がない並行輸入の染毛剤がオンライン購入可能になっています。これらの製品:
- 日本の化粧品基準(配合上限)を満たさない可能性
- ラベル表示が日本基準でない
- メーカー保証なし
- 副作用発生時、追跡困難
業務として使用するサロンは、国内承認製品のみ使用 が安全衛生・法令遵守の両面から推奨されます。
11. 2024〜2026年の動向
- PFAS規制: EU・米国カリフォルニア州で規制強化。日本も化粧品基準の見直し検討中
- ホルムアルデヒド放散物質: メチレングリコール等の規制強化議論
- ナノマテリアル: 化粧品配合の規制議論
- 電子表示の許容: 一部の表示要件をQRコード等で代替可能化
12. 表示の遵守
化粧品の容器・外箱には以下の表示が必須:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 製品名 |
| 製造販売業者の氏名・住所 | 法人の場合は商号と所在地 |
| 製造番号・製造記号 | ロット番号 |
| 配合成分の全成分表示 | 多い順に記載 |
| 使用期限(必要な場合) | 開封後の使用期限はPAOマークで |
| その他 | 内容量等 |
サロンで小分けして提供する場合も、適切な表示が必要です。
13. 民事賠償リスク
サロンの薬機法関連リスクは行政指導だけでなく、民事賠償です:
- アレルギー反応:パッチテスト未実施の場合、サロン責任が重い
- 被毛被害(過剰オキシ等):再現可能な処方記録が必要
- 頭皮損傷:化学的火傷の場合、医療機関への即時紹介が義務
- 顧客の傷害:サロン賠償保険(多くは要件として記録維持)
14. 行政書士現場知見
サロン経営者の薬機法理解で最も多い盲点は:
- 「化粧品メーカーの責任なので、サロンは関係ない」 → 誤解。サロンも使用者として責任あり
- 「メーカーの注意書きはサンプル文章」 → メーカーの法的指示。違反時、民事責任を負う側はサロン
- 「並行品は安いから使う」 → 副作用発生時の防御困難
- 「昔から使っているから問題ない」 → 規制は更新される。古い知識は危険
15. MmowW Shamp👀 の役割
Shamp👀 化学モジュールは、製品の医薬部外品許可番号を記録、化粧品基準準拠を確認、メーカー指示(パッチテスト等)をクライアント予約に紐付け、副作用記録の保管とメーカー通知ワークフローを自動化します。
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免責事項
本記事は衛生・薬剤情報であり、法的・医療的助言ではありません。MmowW Shamp👀は日本の行政書士事務所が運営します。理容師法・美容師法・薬機法・厚労省ガイドラインの最終解釈は管轄官庁にご確認ください。
出典
- 薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律): https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000145
- 厚生労働省 化粧品基準(告示第331号): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000133840.html
- 厚生労働省 医薬部外品: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/index.html
- 厚生労働省 ヘアカラーによる皮膚障害について: https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/iyaku/keshouhin/index.html
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA): https://www.pmda.go.jp/
安全で、愛される。