はじめに
ピヨちゃん: 「ポッポ副所長、『BVLOS』って何ですか?『目視外飛行』と何が違うんですか?」
ポッポ副所長: 「いい質問だね。BVLOSは『Beyond Visual Line Of Sight』の略。つまり『操縦者の目で見えない距離・高度で飛ばす』ことだ。これは最も難しい飛行で、だから2026年は大きく変わったんだ。」
2025年改正航空法により、ドローンの飛行レベルが体系化されました。特に BVLOS(目視外飛行)は『カテゴリーIII』 として、最も厳格な規制対象となっています。
第1章 ドローン飛行の4つのレベル体系
1.1 レベル1~4の分類
航空法は、ドローン飛行を 4つのレベル に分類しました:
| レベル | 飛行形態 | リスク | 許可 | 資格 | 要件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 目視内、人里離れた場所 | 最低 | 不要 | 不要 | なし |
| 2 | 目視内、人口集中地区 | 低 | 必須 | 推奨 | 飛行マニュアル |
| 3 | 目視外、人里離れた場所 | 中 | 必須 | 推奨 | 運用基準+監視体制 |
| 4 | 目視外、人口集中地区 | 最高 | 必須 | 必須 | 全て+レベル4適合機 |
ポッポ副所長: 「つまりね:
- レベル1:普通に飛ばせる
- レベル2:町中ならプロの認可が必要
- レベル3:見えないところでも飛ばせるけど、田舎限定
- レベル4:見えないところで、かつ町中も飛ばせる。でもハードルが高い」
1.2 BVLOS = レベル3 + レベル4
実は、BVLOS(目視外飛行)には2つのパターン があります:
- レベル3:BVLOS(田舎版)
- 目視外 + 人里離れた場所
- 一等資格 不要
- 二等資格でOK
- 許可申請 必須
- レベル4:BVLOS(町中版)
- 目視外 + 人口集中地区
- 一等資格 必須
- 第一種機体認証 必須
- 許可申請 必須
第2章 BVLOS(レベル3)の要件
2.1 対象飛行
= 目視外飛行(BVLOS) & 人里離れた場所(非人口集中地区) & 特定飛行には許可申請が必須
具体例:- 山間部での橋梁点検(ドローンが見えなくなる)
- 農地での農薬散布(広大なエリアでの自動飛行)
- 林道での測量(森の中での長距離飛行)
- 沿岸部での海岸侵食調査(数km先の海上飛行)
2.2 必須要件(5つ)
(1) 飛行許可申請
DIPS2.0への申請内容:申請事項:
- 飛行の種類:目視外飛行
- 飛行地点:メッシュコード記載
- 飛行期間:〇年〇月〇日~〇年〇月〇日
- 飛行高度:地上から〇m(最大高度)
- 飛行時間帯:午前〇時~午後〇時
- 操縦者:〇〇〇〇(資格番号)
(2) 運用基準(飛行マニュアル)
以下を含む詳細な運用基準を策定: ① リスク分析
- 機体の信頼性(冗長性)
- 通信システムの信頼性
- 自動帰還機能の有無
- 墜落リスク対策
② 監視体制
- 監視者の配置(必須)
- 通信方式(無線/4G/5G)
- 緊急対応体制
③ 天候基準
- 風速限界:15m/s以下推奨
- 視程:1km以上
- 降雨・降雪:中止
④ 機体要件
- 総重量:100kg以下
- 自動帰還機能:必須
- 障害物検知:強く推奨
(3) 操縦者資格
必須資格: 二等無人航空機操縦士以上| 資格 | 取得条件 | 費用 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 二等操縦士 | スクール+学科試験+実技試験 | ¥250,000~400,000 | 3~4週間 |
| 二等操縦士(農業) | 農業特化版 | ¥150,000~250,000 | 2~3週間 |
| 検定員資格 | 二等取得者が対象 | ¥100,000~150,000 | 1~2週間 |
ポッポ副所長: 「二等資格があれば、レベル3は飛ばせます。ただし、レベル4には一等資格が必要です。」
(4) 機体の要件
100kg以下(プロペラ含む)
自動帰還機能あり
通信到達距離:最低2km以上
飛行時間:最低20分以上
リチウムバッテリー安全装置
GPS機能あり
機体登録完了(DJI、Auteryx等)
- DJI Matrice 300 RTK
- DJI Air 3S
- Auteryx Scout Max
- Freefly ASTRO
(5) 監視体制
【必須体制】
1名以上の監視者配置 → ドローンと通信可能な距離 → 地上 or 支援航空機 通信確認(リアルタイム) → 画像伝送 → テレメトリ(高度・速度・GPS位置) 緊急対応 → 異常時は直ちに着陸 → 通信喪失時は自動帰還
第3章 レベル4飛行(BVLOS&町中)の要件
3.1 対象飛行
= 目視外飛行(BVLOS) & 人口集中地区 & 一等資格&第一種機体認証 & 最高レベルの許可申請
具体例(現在、ほぼ実現不可):- 都市部の橋梁点検(視界外での飛行)
- 千葉県習志野市での配送テスト(人口集中地区)
- 東京都内での長距離飛行(見えない距離での運用)
3.2 必須条件(7つ)
(1) 一等無人航空機操縦士資格
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 取得条件 | 二等操縦士 → 一等操縦士への進級試験 |
| 学科試験 | 筆記試験(120分、70問) |
| 実技試験 | 飛行試験(15科目、極限難易度) |
| 費用 | ¥350,000~500,000 |
| 期間 | 2~3ヶ月 |
| 合格率 | 約30~40%(非常に難しい) |
- 強風での離着陸
- 自動飛行(複雑なルート)
- 障害物回避(リアルタイム)
- 通信喪失時の自動帰還
- 複数機体の同時操縦
- 緊急停止&着陸
(2) 第一種機体認証
一等資格でのみ使用できる『認証機体』取得プロセス: ① 製造業者(DJI等)がプロトタイプ提出 ↓ ② 国土交通省が型式認定試験 ↓ ③ 合格 → 第一種機体認証発行 ↓ ④ ユーザーがそれを購入・登録
認証済みの機体(2026年4月現在):- DJI Matrice 300 RTK
- DJI Air 3S(条件付き)
- Auteryx Scout Max
- 数社のみ
ポッポ副所長: 「第一種機体認証は、めちゃくちゃ難しいんです。現在、世界的に認証機体は10機種未満。日本でレベル4が進まない理由はここです。」
(3) 超高度な飛行マニュアル
レベル3よりも、さらに詳細: ① リスク分析(FMEA×2層)
- 機体レベル
- システムレベル
② 冗長性設計
- デュアルGPS
- デュアル通信
- デュアルバッテリー(自動切り替え)
③ 非常時プロトコル
- 通信喪失時:自動帰還
- エラー検知時:低速着陸
- バッテリー不足時:自動回帰
④ 監視&制御
- リアルタイム映像伝送(HD以上)
- テレメトリ監視(全パラメータ)
- 遠隔操縦可能(レベル3以上)
(4) 人口集中地区での操縦
【操縦場所の制限】
駅前 / 商業地区 / 住宅地
人道が多い公園
学校・病院近辺
産業施設(橋梁・発電所)
港湾地区(夜間)
自治体指定エリア(事前許可後)
(5) 公安委員会&自治体への事前協議
許可フロー:
1) DIPS2.0で国交省に申請 ↓ (許可待ち:約1ヶ月) 2) 所轄警察署に連絡 (飛行地点の安全確認) ↓ 3) 市区町村に届出 (条例の確認) ↓ 4) 着陸予定地の所有者に許可取得 ↓ 5) 3者全て確認後、飛行開始
合計期間:2~3ヶ月
(6) 保険&賠償責任
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| 対人賠償 | 最低 5億円 |
| 対物賠償 | 最低 3億円 |
| 機体保険 | 機体価格の100%カバー |
| 更新期間 | 年1回以上 |
(7) 承認書取得の最終確認
国交省からの承認書に記載される項目:
飛行地点(メッシュコード)
飛行期間(開始日~終了日)
飛行時間帯(〇:00~〇:00)
操縦者(資格番号指定)
機体型式(認証番号指定)
特別な条件(夜間飛行禁止等)
第4章 レベル3 vs レベル4 比較表
| 項目 | レベル3 | レベル4 |
|---|---|---|
| 飛行形態 | 目視外 + 田舎 | 目視外 + 町中 |
| 必須資格 | 二等操縦士 | 一等操縦士 |
| 機体認証 | 不要 | 第一種機体認証必須 |
| 飛行許可 | 必須(DIPS) | 必須 + 警察・自治体協議 |
| 監視者 | 1名以上 | 2名以上推奨 |
| 保険賠償額 | 1~2億円 | 5~10億円 |
| 運用基準 | 詳細 | 超詳細(冗長性×2層) |
| 許可期間 | 1~2ヶ月 | 2~3ヶ月 |
| 取得難易度 | ⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 実績数(日本) | 数百件 | 15件未満 |
第5章 MmowWでのBVLOS管理
5.1 自動チェックリスト機能
MmowW が自動判定:
【入力値】 □ 飛行地点(住所/メッシュコード) □ 操縦者資格 □ 機体型式 □ 飛行日時 ↓ 【自動判定】 □ 人口集中地区か? → NO → レベル3 YES → レベル4 ↓ □ 必須要件をリスト化 ↓ 【出力】 必要な許可・資格・保険を自動表示
5.2 DIPS連携機能
MmowW → DIPS2.0 申請準備
① MmowWで飛行計画を入力 ② 「DIPS申請」ボタン ③ 自動的にDIPS2.0の申請フォーマットに変換 ④ DIPS2.0にログイン&送信 ⑤ 国交省から許可メール
5.3 料金プラン
| プラン | 機体数 | BVLOS対応 | 月額 |
|---|---|---|---|
| スターター | 1~3機 | レベル3 | ¥480 |
| ビジネス | 4~10機 | レベル3&4 | ¥960 |
| エンタープライズ | 11機以上 | 全対応 | 要問合 |
第6章 よくある質問(FAQ)
まとめ
ピヨちゃん: 「わ、わかりました!レベル3は『田舎での目視外』で、レベル4は『町中での目視外』で、ハードルが全然違うんですね。」
ポッポ副所長: 「その通り。日本でレベル4が進まないのは、一等資格の難しさと、第一種機体認証の機体の少なさが原因です。でも、MmowWならチェックリストが自動で『あなたはレベル3か4か』を判断するから、ミスがない。」
BVLOS(目視外飛行)の要件は:
- レベル3: 二等資格でOK、人里離れた場所限定
- レベル4: 一等資格&第一種機体認証、人口集中地区でも可
- 両者とも: 飛行許可申請が絶対必須
- 2026年の実績: レベル4はまだ15件未満