はじめに

ドローン飛行では、空域分類の理解が許可申請の合否を分けます。2026年現在、国土交通省は無人航空機情報基盤システム(DIPS)を通じて、リアルタイムで飛行可否を判定しています。

3層の空域分類

日本のドローン空域体系(2026年版)

【ドローン飛行空域の分類】 【層1】:絶対禁止空域         ↓     飛行許可なし・許可対象外     (申請しても絶対却下) 【層2】:条件付き許可空域         ↓     国土交通省から飛行許可を取得すれば飛行可能     (申請書類を提出して審査を受ける) 【層3】:自由空域         ↓     許可申請なしで飛行可能     (ただし、安全管理と通知は必須)

層1:絶対禁止空域

空港周辺の禁止空域

最も厳密に規制されている空域

【空港周辺の規制一覧(国内主要空港)】 ① 成田国際空港(NRT) 禁止エリア半径:9km(滑走路端から) 高度制限:なし(地上からすべての高度で禁止) ② 羽田空港(HND) 禁止エリア半径:9km 高度制限:なし ③ 関西国際空港(KIX) 禁止エリア半径:9km 高度制限:なし ④ その他地方空港 禁止エリア半径:3-6km(空港による) 高度制限:空港の滑走路最高高度+100m以下

禁止エリアの確認方法

ステップ1:DIPS にログイン ↓ ステップ2:「飛行地点」に住所を入力 ↓ ステップ3:DIPSが自動表示 「この地点は空港周辺禁止区域です」 (申請不可)

軍事施設周辺の禁止空域

【軍事施設周辺の禁止区域】 防衛施設周辺空域 の規制(防衛施設庁が指定) ↓ 禁止エリア半径:原則 3〜5km ↓ 申請しても許可されない可能性が高い

具体例
  • 自衛隊基地周辺
  • 米軍基地周辺
  • 防衛省直轄地
確認先

防衛施設庁 周辺地域課 https://www.mod.go.jp/ → 「禁止区域の問い合わせ」フォームで確認

層2:条件付き許可空域

空港周辺(禁止区域外)の空域

【空港周辺だが、禁止エリア外の空域】 例)羽田空港から 11km 離れた場所 DIPS での表示: 「この地点は空港周辺です。 飛行許可の取得が必要です。」 ↓ 申請すれば、許可される可能性あり (ただし、空港からの距離・高度により条件付き)

許可判定の基準

【空港周辺での許可判定フロー】 Q1:飛行地点から空港までの距離は? ├─ 9km以内 → 許可不可(絶対禁止) ├─ 9-12km → 許可条件付き │ → 高度制限あり │ → 実際の航空機運用と協議必要 └─ 12km以上 → 許可可能性高い Q2:飛行高度は? ├─ 空港滑走路高度+100m以下 → 許可不可 ├─ 空港滑走路高度+100-200m → 条件付き └─ 空港滑走路高度+200m以上 → 許可可能 Q3:飛行時間は? ├─ 民間航空機の到着・出発時間帯 → 原則許可不可 └─ 早朝・深夜(離発着なし) → 許可可能

人口密集地での飛行

【人口密集地での飛行】 定義:「市街地で、人口密度が高い地域」      ※公式な定義なし      ※DIPS で地図上に「黄色塗り」で表示 許可申請の必須要件: □ 操縦者の資格(JUIDA / DPA)確認 □ 機体の所有権証明書 □ 保険加入証明書 □ 飛行計画書(ルート図) □ 耐空性確保の記録 審査期間:通常 3-5営業日          (複雑な案件は 2週間以上)  

注意

「人口密集地」での許可申請は、 すべての提出書類が完璧である必要があります。 よくある不承認理由:
機体の登録がない
保険加入の証明書がない
飛行計画図が不明確
安全対策が記載されていない

夜間飛行(日中以外)

【夜間飛行の定義と許可】 夜間飛行:日出から日没までの時間帯以外 許可取得の難易度:(最高に難しい) 理由: ・ドローンの落下時に周囲からの発見困難 ・緊急時の対応が遅れる ・操縦者の目視が不可能 許可される例(稀): □ 赤外線カメラでの夜間建築物調査 → 事前に空港管制部との協議 → 地域自治体の許可も必須 □ 夜間のインフラ点検 → 大規模商業施設内での専門用途

目視外飛行(BVLOS: Beyond Visual Line of Sight)

【目視外飛行の定義】 操縦者がドローンを見失う飛行 ↓ 許可取得の難易度:(非常に難しい) 許可される例: □ 離島間の物資輸送(配送事業) □ 高圧線点検(大規模システム構築時) □ 農薬散布(特定の地域協議会経由) 許可条件: □ リアルタイムGPS追跡システムの装備 □ 4G/LTE通信による遠隔操縦 □ 第三者監視員の配置 □ 複数台のドローン同時運用(バックアップ)

層3:自由空域(許可申請不要)

許可申請なしで飛行できる条件

【許可申請不要 の条件(全て満たす必要)】 □ 飛行地点が「人口密集地」でない □ 高度が 150m 以下(対地) □ 空港周辺禁止区域外 □ 日中(日出〜日没)飛行 □ 目視できる範囲での飛行 □ 特定の個人・施設をターゲットにしない これらをすべて満たしても: 完全に「自由」ではない 市区町村に「ドローン飛行予定」を通知すべき 周囲の住民から苦情が出た場合、中止を迫られる可能性あり

自由空域での飛行例


農村地域での農業用ドローン飛行
山林での森林調査
大型駐車場での機体テスト
私有地(広大な敷地)での撮影
海上(陸地から2km以上離れた外海)でのドローン回収

禁止区域の詳細リスト

法律で禁止される空域

【法律による禁止】 航空法 第131条 ↓ 【禁止される飛行】 ① 空港周辺(前述) ② 150m以上の高度(許可なし) ③ 人口密集地での高度制限違反 ④ 物件投下(荷物の落下) ⑤ 航空機からの投げ捨て行為

条例により禁止される空域

【都道府県・市区町村の条例】 各自治体が独自の「ドローン禁止区域」を設定 ↓ 例)東京都内の公園 「公園内でのドローン飛行は禁止」 → 許可申請しても認められない

主要な禁止区域
区域 禁止理由 許可可能性
国立公園 景観保全 ほぼ不可
自衛隊基地周辺 防衛機密 不可
原子力発電所周辺 セキュリティ 不可
都市公園 公共安全 条件付き
神社仏閣 宗教施設の尊重 条件付き
高速道路上空 交通安全 不可
河川敷(一部) 河川管理者の指定 条件付き

DIPS での空域チェック手順

実務的なチェック方法

【ステップバイステップ】 STEP 1:DIPS にアクセス URL:https://www.dips.mlit.go.jp/ STEP 2:「飛行区域を確認」をクリック ↓ STEP 3:飛行予定地の「住所」または「緯度経度」を入力 ↓ STEP 4:DIPSが自動表示 ├─ 禁止空域 → 赤色塗り ├─ 許可申請必要 → 黄色塗り └─ 申請不要 → 白色 STEP 5:表示された警告をすべて確認 ├─ 空港周辺の制限 ├─ 人口密集地の確認 ├─ 夜間飛行の必要性 └─ 目視外飛行の必要性 STEP 6:許可申請が必要かを判定 ├─ 赤色のみ → 申請不可、飛行不可 ├─ 黄色含む → 申請必須 └─ 白色のみ → 申請不要(通知推奨)

チェック後の対応

【判定結果ごとの対応】 【パターン A】赤色(禁止区域)が含まれる場合 → 飛行地点の変更を検討 → または飛行内容を大幅に変更 【パターン B】黄色(許可申請必要)が含まれる場合 → 以下の書類を準備 □ 飛行計画書 □ 機体情報(仕様・登録番号) □ 操縦者資格証 □ 保険加入証明書 □ 安全対策書 → DIPS へ申請 → 3-5営業日で結果通知 【パターン C】白色(申請不要)のみの場合 → 市区町村に飛行予定を通知 → 許可申請は不要(ただし安全管理は必須)

FAQ:空域分類について ピヨちゃん ×ポッポ副所長

Q1. 「人口密集地」の定義は何ですか? Q2. 空港から 12km 離れた場所なら絶対に許可されますか? Q3. 自分の家の庭なら許可申請は不要ですか? Q4. 国立公園でのドローン飛行は絶対に不可ですか? Q5. 沖縄の海上で飛行する場合、空域ルールはどう変わりますか?

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すべての空域チェックを自動で実行:

  • DIPS連携による空域自動判定
  • 禁止区域の自動検出
  • 許可申請の必要性を自動判定
  • 申請書類の自動生成
  • 地図上での色分け表示(禁止・条件付き・自由)

参考資料

  • DIPS(国土交通省):https://www.dips.mlit.go.jp/
  • 航空法 第131条:https://www.mlit.go.jp/
  • 防衛施設庁:https://www.mod.go.jp/
  • 環境省 国立公園ドローン規制:https://www.env.go.jp/
  • 本記事は2026年4月時点の空域規制に基づいています。飛行前には必ずDIPSで最新情報を確認してください。